屋根にある軒の突出している部分の先端部分のことを、軒先と言います。軒先は、屋根において最も目立つ部分になります。屋根は建物の上方にあるため人目に付きにくいですが、軒先は建物の正面にあるため、とても目立ちます。軒先がどのようなデザインであるかによって、屋根の見た目は大きく変わります。
 
軒先はデザイン的に重要な役割を果たしますが、日差しを遮ったり、雨から窓や外壁を守ったりする役割もあります。軒先に雨樋を設置することにより、屋根上の排水の機能を持たせることも多いです。軒先に設置する雨樋を軒樋と言います。
 
軒先は強風に飛ばされやすい部分であるため、設計や施工方法をよく検討する必要があります。特にアルミなどの軽い素材を使用する場合や軒先の面積を広くする場合は、より慎重に検討する必要があります。防火性能の検討も忘れてはいけません。
 
混同しやすい用語として軒下があります。軒下は屋根の最も低い部分を指し、地面と平行になっている場合が多いです。軒下は、軒先とは全く異なり、機能やデザインの観点からも異なる役割を持ちます。また、雨樋のない切妻屋根の先端部分をケラバと言います。ケラバは軒先と区別されるので注意が必要です。