取り合いとは、建築物や構造物の施工において、各工程や工種の変わり目、構造部材の接合部、構造部材と化粧材の接点など、細部の寸法や取り付け手順、方法、材質を明確にし、必要に応じて前後の関係を調整することを指します。「納まり」とも呼び、施工図を基に安全で円滑に作業するための確認、検証の機会です。

施工不良による手直しが生じると、工程や費用の面だけではなく関係協力会社間での不信の原因ともなり兼ねず、節目での取り合いはとても重要です。

施行現場において「納まらない」、「納まりが悪い」という事態を防ぐために「取り合い」を早い段階で確認することが必要です。そのためには、現場作業の詳細を知る施工管理者、または職人の確認を得た「施工図」をもって「取り合い」を調整します。

施工図には、設計図にはない実際に制作する形状や寸法、使用部材やボルトなどの詳細が記載されており、施工性が考慮されているため、施工前に具体的なイメージを描け、また、納まりが悪い事態が発生した際にも原因を知り易く早期の解決が可能となります。さらに、竣工後のメンテナンスにおいても詳細情報を施工図で確認ができるため、解体や調査作業に時間を費やす必要がありません。