洗掘とは、河川(河岸、河床)や海(海岸、海底)で、水流や波によって土砂が削り流されることを指します。
これらの場所で局所洗堀や水叩き部の洗堀などの現象があり、洗堀による被災や被害を引き起こす原因となるため、設置した構造物が沈下、傾斜、移動することがないよう護り固定させるために様々な洗堀防止策が必要です。
主な洗堀現象の原因と憂慮すべきこととして、水流によって河床の土砂が流され、堤防や橋脚基礎部に空洞が生じることで構造物の沈下や陥没が発生すること、増水時に護岸構造物の背面にある土砂が吸い出されて流出し、構造物と法面部との間に空洞が生じ強度を保てなくなること、構造物が接する地中に浸透水がある場合には残留圧力が発生して流路を生成し、パイピング現象によって土砂と水が噴き出すことなど、が挙げられます。
例えば、河川橋梁(橋脚部)の洗堀防止のためには、構造物の設計段階で河川条件(計画河床高、計画河床勾配等)、河川改修履歴、最新の河床の計測記録、河床の変遷出水記録地盤条件(基礎地盤の土質等)、橋梁条件(構造物躯体寸法、基礎形式、基礎の必要根入れ深さなどを十分に考慮に入れる必要があります。
洗堀状態の進行を防止するためには渇水期に近接目視による定期点検を行い、外観検査で情報が不足する場合は、打音や触診、非破壊検査、試掘によって状態の把握に努める必要があります。