TOP おしごと 鳶職に必要な資格とは?玉掛け技能講習、とび技能士など取得すべき資格を紹介

鳶職に必要な資格とは?玉掛け技能講習、とび技能士など取得すべき資格を紹介

2022年3月7日更新

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高所作業や鉄骨の組み立てなどを行う鳶職の仕事は危険度が高く、業務経験や高い技術力が求められます。
そのため、作業をするためには資格が必要となり、建設会社に入社した後は「玉掛作業者」や「とび技能士」といった資格を取得していかなければなりません。

そこで今回は、鳶職に必要な資格について詳しく解説します。資格ごとに特徴や取得方法を紹介するので、現在鳶職の仕事をしている方や、今後鳶職の仕事に就きたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

鳶職に資格は必要?

鳶職を目指して入社するにあたり、資格がなくても就職することは可能です。一般的に建設会社は学歴や資格、経験が不問の会社が多いため、鳶職人になるためのハードル自体はけっして高くありません。
しかし、鳶職人の業務は高所で作業したり、鉄骨を組み立てたりと危険度も高く、資格がなければできない作業も多いため、入社後に資格を取得しなければなりません。

昨今は法律でも、現場ごとに有資格者を一定数以上配置しなくてはならないことが定められており、資格の必要性は高まっています。
資格には試験を受けなければならない「免許」から、講習を受けるだけで取得可能な「技能講習」や「特別教育」などがあります。
資格には効力があり、効力が強くなればなるほど取得の難易度も高くなりますが、より高度な作業を行うためにステップアップを目指すのであれば必須といえます。

鳶職に必要な資格

鳶職の場合は作業が高度になるほど、資格がなければ作業を行うことができなくなってしまいます。
さらに、職長などの責任者になるのにも「作業主任者」と呼ばれる資格が必要となるため、鳶職の世界で働いていく以上、資格は必要不可欠といえるでしょう。

また、資格の中でも、「足場の組立等作業主任者」「建築物等の鉄骨の組立等作業主任者」「玉掛作業者」は、三種の神器と呼ばれるほど重要な資格なので鳶職人として活躍していくのであれば必ず取得しておきたいところです。
次に、これら鳶職人に必要な資格を紹介します。鳶職でキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にして取得を目指しましょう。

足場の組立て等作業主任者

鳶職の仕事といえば、足場の組み立て・解体作業をイメージする方も多いのではないでしょうか。
吊り足場や張出し足場、または高さ5メートル以上の足場の組み立て・解体作業を行う場合、有資格者を1名以上配置しなくてはならないという決まりがあります。

【参照】一般社団法人労働技能講習協会

そのため、ほぼすべての足場工事現場では、足場の組立て等作業主任者の資格が必要となります。
足場の組立て等作業主任者は、厚生労働省が認定する国家資格であり、受講するには都道府県ごとに実施される技能講習を受ける必要があります。
さらに学歴に応じた実務経験も必要になり、大学や高専、高校で土木について学んでいる方の場合は2年、それ以外は3年以上の実務経験が必要です。
足場の組立て等作業主任者の講習は、建災防のホームページから申し込むことが可能です。

【参照】建設業労働災害防止協会 「足場の組立て等作業主任者」

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者も、厚生労働省が認定する国家資格の1つです。
高さ5メートル以上の鉄骨建築物の組み立て・解体作業を行う際には、この資格の有資格者を1人以上配置する必要があり、鉄骨鳶には必須の資格といえます。

【参照】建設業労働災害防止協会山梨件支部

足場の組立て等作業主任者と同様に実務経験が必要のため、入社してすぐには取得できませんが、将来的には必ず取得する必要がある資格です。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の講習も、建災防のホームページから申し込むことができます。

【参照】建設業労働災害防止協会 「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」

玉掛け技能講習・玉掛け特別教育

玉掛けとは、クレーンなどで荷物を吊るときにワイヤーで吊り荷にかける作業のことをいい、これに対して外す作業のことを「玉外し」といいます。
この一連の作業を「玉掛け」と呼び、この作業を行うのに「玉掛け技能講習」あるいは「玉掛け特別教育」のいずれかを受講して資格を得ることが必須となります。
鳶職は足場や鉄骨など、様々な重量物を運ばなければならないため、玉掛作業者は鳶の仕事に就いて最初に取る資格となることが多いです。
玉掛け技能講習も、建災防のホームページから申し込むことができます。

【参照】建災防

とび技能士

とび技能士も、他の資格同様に厚生労働省が認定する国家資格の1つです。しかし、他の資格とは違い、取得することで担当できる作業の幅が広がるわけではありません。
この資格は、保有することで鳶職人としてのレベルを表すための資格で、とび技能士資格を得ることで国から認められた職人になることができます。
資格は1級から3級まであり、1級になることができれば1流の鳶職人の証明となるため、独立開業や職業訓練校の指導員としての道も開くことが可能です。

【参照】資格の取り方

資格を取得するためには、学科と実地作業の両方の試験を合格しなければなりません。
さらに、3級には受験資格はありませんが、2級以上になると下の級の資格と実務経験が必要となるため、あらかじめ受講資格を確認する必要があります。
とび技能士の資格を受験するためには、各都道府県の職業能力開発協会に受検申請書を提出しなくてはなりません。自分が住んでいる都道府県のホームページから詳細を確認できます。

【参照】東京都職業能力開発協会(東京都の場合)

ここまで紹介してきた資格は、鳶職の仕事を行う上で必要な資格になります。これから紹介する資格は、ステップアップや仕事の幅を広げるための資格になるため、必要に応じて取得していきましょう。

鋼橋架設等作業主任者

鋼橋架設等作業主任者は、橋梁の仕事を行う上で必要不可欠の資格です。
鋼鉄製の橋桁で高さが5メートル以上ある場合、または橋梁の支間が30メートル以上ある架設・解体・変更の作業を行う場合は、鋼橋架設等作業主任者を配置する必要があります。

【参照】GLOBAL CONSTRUCTION UNION

そのため、橋梁鳶を目指す場合は取得するとよいでしょう。
鋼橋架設等作業主任者は、建災防のホームページから申し込むことが可能です。

【参照】建設業労働災害防止協会 「鋼橋架設等作業主任者」

型枠支保工の組立て等作業主任者

大型建設現場で働く鳶職にはおすすめの資格です。この資格を保有することで、支保工足場の組み立て及び解体作業を行うことができるようになります。
型枠支保工とは、スラブやけたのコンクリートを打つ際に必要な型枠を支持する足場のことをいい、足場関連で仕事の幅を広げることができます。
取得には型枠支保工に関する作業経験が3年以上必要となります。

【参照】JQOS.jp

型枠支保工の組立て等作業主任者の講習も、建災防のホームページから申し込むことができます。

【参照】建設業労働災害防止協会 「型枠支保工の組立て等作業主任者」

職長・安全衛生責任者教育

会社の中である程度のキャリアを積むと、現場の管理を任されるようになっていきますが、建設現場の管理・監督する人を職長と呼びます。

職長を務めるには安衛法第60条により所定の安全衛生に関する教育(いわゆる「職長教育(12時間)」)が義務付けられており、この資格を保有しなくては現場監督指揮権限が認められないため、社内でステップアップしていき、職長になるには必須の資格です。
安全衛生責任者は通常は50人以上の混在作業現場で関係請負人側が専任する役割です。

これは統括安全衛生管理の関係請負人側の責任者にあたり、重要な立場でもあります。
一般的に、現場管理などを行うのが職長、統括安全衛生責任者との連絡など対外的な業務も行うのが安全衛生責任者とされています。
これらは建設現場では兼任する事が多い為、「職長・安全衛生責任者教育者」とまとめられる事が多いです。

【参照】一般財団法人:中小建設業特別教育協会

建災防のホームページから両方申し込むことが可能なので、ゆくゆくは職長になりたいと考えている方はぜひ検討してみてください。

【参照】建設業労働災害防止協会 「職長・安全衛生責任者教育者」「職長のためのリスクアセスメント教育

鳶職が資格を取得するメリット


現代社会は「資格社会」とも呼ばれており、資格を取得しなければ作業すら満足にすることができないことも少なくありません。
建設現場においてもそれは変わらず、資格を得ることで様々なメリットを得ることができます。
最後に、鳶職人として働いていく上で資格を取得するメリットについて紹介します。

昇進、昇給ができる

職長以上になるには、資格が必要不可欠です。資格を保有していないとできない仕事も多く、特に責任の重い仕事となると資格の取得は必須となります。
資格がないとその先の仕事に進むことができないため昇進もできず、昇級を望むこともできないでしょう。
さらに、資格を取得すると手当を出す会社も多く、手当が支給されれば昇給にもつながります。

仕事の幅が広がる

前述した通り、鳶職の仕事は危険が伴うため、有資格者でなければ仕事に従事することができません。
資格を取得しなければいつまでも一人前と認めてもらうことができない一方、資格を取得することでより高度な作業に就き、社内でのポジションも高くなっていきます。
新しい仕事を任され、昇進や昇給など結果が伴ってくると、仕事に対するやりがいや責任も増すため、より一層仕事に打ち込めるようになります。

独立開業の道が広がる

とび技能士のように、資格を取得することで世間からの信頼を得ることができるため、独立を考えている方にとっては特に資格取得は重要といえるでしょう。
また、資格を取得することで受けられる仕事の幅が広くなり、独立や法人化した際に様々な分野の仕事を受けることが可能となります。

鳶職の平均年収・給料・ボーナスは?年収1000万円稼ぐ鳶職人の特徴や年収アップの方法を紹介

まとめ

鳶職になるために資格は必要ありませんが、仕事をしていく上で資格は必要になります。
資格を取得することは会社の中で有利に働くほか、転職や独立、法人化を目指す際にも有効です。
もし今持っている資格を活かして転職や独立を考えていたり、これからステップアップするために資格の取得を検討したりしている場合は、「助太刀」を使ってステップアップできる道を探ってみるのもおすすめです。

また、建設業界で働く現場監督や職人が年収を上げていく方法については以下の記事で解説しております。

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