グリーンサイトは、労務・安全衛生に関する管理書類をクラウド上で管理できるサービスです。労務安全書類の管理を効率化できることから利用している元請会社も多く、そんな企業と今後取引を続けていくには一人親方もグリーンサイトの導入を検討する必要があると考えられています。
そこで今回は、一人親方がグリーンサイトに登録する意味や、一人親方にとってのメリット・デメリットについて解説していきます。今後の将来も見据えて、今のうちに学んでおきましょう。
目次
グリーンサイトとは?
グリーンサイトとは、労務・安全衛生に関する管理書類をクラウド上で簡単に作成や提出、確認といった管理ができるサービスのことです。
建設業では、下請業者が工事現場に入る際、元請業者に労務安全書類(グリーンファイル)を提出する必要があります。しかし、提出が必要な書類の数が多く、書類の作成・提出に多くの時間や手間がかかるため、担当社員にとって大きな負担となっていました。
そこで、現在多くの建設会社に利用されているのが、株式会社MCデータプラスが運営している「グリーンサイト 」です。
グリーンサイトを利用することで、パソコンやスマホさえあればどこでも書類作成から提出、確認まで簡単にこなすことが可能です。使い方も簡単で、会社情報を一度入力すればその後作成する書類にも同じ情報を自動反映してくれるため、同じような書類を作る際には手間を省くことができます。
グリーンサイトに登録している建設業者
グリーンサイトは大きく分けると、「元請会社」、「協力会社(1次)」、「2次・3次以下の協力会社」などによって利用されています。
協力会社は労務安全書類の作成・提出、元請会社は提出された書類の確認・管理のために使用しています。
グリーンサイトに登録している元請会社・協力会社、再下請会社であれば書類のやりとりが簡単になるというメリットがあります。そのため、元請会社がグリーンサイトを利用している場合は、協力会社も登録しておくとやりとりがスムーズになります。
ここでは、グリーンサイトに登録している元請会社と協力会社の特徴について解説します。
元請会社
元請会社とは、工事の発注者から直接工事の依頼を請け負った会社です。そして元請会社は、パートナーとなる協力会社に仕事を依頼することで建設作業を進めていきます。
2021年9月時点では、合計約350社が元請会社としてグリーンサイトに加入しており、常時約21,000現場で稼働しているといわれています。これにはスーパーゼネコンを始め、多くの大手・中堅ゼネコンが含まれており、あらゆる現場でグリーンサイトは活用されています。
この数値を見ると、どれだけグリーンサイトに登録する必要があるかが分かりますね。
協力会社(下請け会社)
協力会社とは、元請会社に対して契約を結んで業務を行う会社のことをいいます。
基本的に一人親方を含む協力会社は、元請けの指示に従って仕事を行っています。協力会社がグリーンサイトに登録すると、元請と同じクラウドで書類の作成ができるため、書式やフォーマットに悩む必要がありません。
元請会社も仕事を依頼しやすくなるため、協力関係が強固になり、仕事を請けやすい環境を整えることができます。
今後一人親方がグリーンサイトへの登録が必要になる可能性
以前に比べて、労務安全書類の提出を要求する会社は増えてきています。特に現場が大きくなればなるほど書類の提出は必須となるので、元請会社がグリーンサイトを導入をしている場合は、たとえ一人親方であってもグリーンサイトに登録する必要が生じます。
また、今までは紙ベースが主流だったためそこまで重要視はされていませんでしたが、テレワークが増えている関係でハンコレスやペーパーレスを促進する動きも加速しています。今後さらにデジタル化が進んでいくと考えられるため、グリーンサイトへの登録が一般化し、登録が必須となる可能性もあるでしょう。
そのため、まだ登録していない一人親方は今後のことも考えて登録を検討してみるとよいでしょう。
一人親方がグリーンサイトに登録するメリット
グリーンサイトは、一人親方が登録しているだけでも発注者にとって作業の軽減ができるので喜ばれることもあります。その他にもメリットが幾つかあるので紹介します。
一度情報を登録すれば次回以降も自動反映ができる
元請会社への提出が必要な書類には、従業員一人ひとりの名前や情報を記入しなければいけないものも多くあります。たとえば、作業員名簿のように、記入事項が多い書類の作成には多くの時間や手間がかかります。
このような時、グリーンサイトを使って情報を登録すれば、次に書類を作成する時も登録した内容で書類を自動作成することができます。これは他の書類を作成する時にも使用できるため、書類作成にかかる時間や手間を大幅に省くことができます。
印鑑や紙が不要になる
紙ベースのグリーンファイルでは、印刷・押印・郵送などが必要だったため、手間やコストがかかっていました。
一方でグリーンサイトでは、クラウド上で書類の作成・提出が可能なため、これらの手間を全て省くことができます。
パソコンやスマホさえあれば書類作成から提出までできるので、会社に行かずとも作業を完結できることもメリットです。
資格の更新漏れを防げる
グリーンサイトでは、作業員の各種資格や健康診断、建設業許可などの有効期限を登録・管理することができます。
有効期限を迎える前にお知らせしてくれる機能もあるので、更新が漏れて期限切れになることを防いでくれます。自分一人で全ての作業を行わなくてはならない多忙な一人親方にとっては嬉しい機能ですね。
一人親方がグリーンサイトに登録するデメリット
グリーンサイトには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。どんなデメリットがあるのかについても把握しておきましょう。
利用料金がかかる
グリーンサイトの利用には料金の支払いが発生します。元請会社と協力会社では料金形態が異なり、協力会社の場合はグリーンサイトにログインするための「ID利用料」の支払いが必要になります。
初期設定料金に11,000円(税込)かかり、1名プランの場合は毎年5,280円(税込)のID利用料が発生します。もし従業員を雇うなどの場合は10名以下だと年間13,200円(税込)の10名プランに加入することになります。
初期設定に手間がかかる
グリーンサイトは一度登録をしてしまえば次に作成する書類は簡単に作成することができます。
しかし、最初に設定する項目が多く、安定した運用環境を構築するのに時間がかかります。これはPC作業が苦手な一人親方にとっては苦労するポイントといえるでしょう。また、電話対応のサポートデスクもあるのでPC作業が苦手な方は活用してみてください。
最初は時間がかかるかもしれませんが、今後の手間を考えると最初は時間をかけてでも登録しておくことをおすすめします。
元請会社もグリーンサイトを利用してもらう必要がある
前述した通り、現在は多くの元請会社がグリーンサイトに登録していますが、中にはグリーンサイトに登録していない会社もあります。
グリーンサイトは元請会社と協力会社の両方が利用していないとクラウド上のやりとりができないため、利用していない元請会社から仕事を引き受ける場合は従来の方法で必要書類の作成を進めることになります。
一人親方のグリーンサイトへの登録方法
ここでは、実際に一人親方のグリーンサイトへの登録方法を紹介します。ステップ別に解説するので、登録を検討している方は参考にしてみてください。
①グリーンサイトの公式サイトから申し込み
まずはグリーンサイトの公式サイトから申し込みます。トップページからサイトに入った場合は「申し込みはこちら」の「協力会社として申し込み」をクリックします。
申込手順説明や利用約款事前説明を読んだ後に、利用約款に同意し、申込情報を入力していきます。途中でユーザー上限数を選択する項目がありますが、一人親方の場合は1IDで問題ありません。
会社情報を入力した後は、退職金共済や労災上乗せ保険の加入状況、建設業許可情報などを入力していき、これら全てを終えると受付完了となります。
協力会社として申し込む場合は下記が該当するページになります。
②必要書類の提出
インターネットからの申し込みが完了すると、次は以下の必要書類の提出が求められます。準備して指定の送り先に送付するようにしましょう。
・利用申込書
・住民票
・登記簿謄本の原本(法人化している一人親方の場合)
・印鑑証明書の原本(個人事業主として活動している一人親方の場合)
③利用料金の支払い
必要書類を提出した後は請求書が届くので、指定の金額を振り込みます。振り込む前に必ず内容を確認するようにしましょう。
④IDとパスワードでログイン
入金の確認がされると、ID・パスワードが送られてきます。そのIDとパスワードを使ってグリーンサイトにログインしましょう。ログインすることができれば、無事登録完了となります。
グリーンサイトのメリットを活かす
今回は一人親方がグリーンサイトに登録する必要性や、一人親方にとってのメリット・デメリットについて紹介しました。
グリーンサイトを利用している元請会社が増えており、今後さらにデジタル活用が標準化していくことから、グリーンサイトを利用しておかないと仕事をもらえないケースが増えてくることも考えられます。
グリーンサイト自体は登録しておくと、書類作成の作業を大幅に効率化できたり、更新が必要な資格が期限切れになる前にリマインドしてくれたりするなど、様々なメリットが得られます。特に忙しい一人親方は、いかに仕事を効率化できるかが重要なポイントになってくるので、書類の管理を楽にしてくれるグリーンサイトの存在は大きいのではないでしょうか。
最後に、グリーンサイトについてはYoutubeでもいくつか解説されている動画があります。こちらの動画では、グリーンサイトの概要や登録方法などが4分ほどの動画で分かりやすく解説されています。協力会社と元請それぞれの場合においての解説になりますが、一人親方にとってもとても参考になる動画です。
今後の建設業界のトレンドや、グリーンサイトのメリット・デメリットを比較した上で利用を検討してみることをおすすめします。
簡単すぎる!助太刀アプリであなたとピッタリの現場や発注者の見つけ方
こんな方におすすめ
独立・法人化のために仕事を増やしたい、事業を拡大したい、急な案件で人手が足りない、忙しくて協力会社が見つからない、
仕事がない、案件が過去のつながりに依存、同業者とつながりたい
アプリの使い方
1 最新の助太刀アプリを無料でダウンロードする
2 プロフィールを入れる
基本情報をていねいに入れる事であなたにピッタリな発注者を自動でおすすめします。
3 理想的な現場を見つけたら発注者とメッセージのやりとりをする
受発注の両方を利用することも可能
助太刀で理想的な環境を手に入れましょう!