縦ハゼは、ハゼを勾配なりに流れにそって縦に通した屋根の葺き方のことです。屋根の傾きと同じ方向に溝が掘られており、雨水が軒先まで留まらずに流れるのが特徴のひとつです。加えて、水が通る箇所に板金のつなぎ目も存在しません。横葺きの屋根と比較すると、雨水を迅速に排出でき、水の進入経路も少ないので防水性が高いといえます。さらに、縦葺きの方が雨水などが流れやすいので、屋根を緩やかな勾配にできます。ただし、縦ハゼ屋根の方が横葺きよりもデザインの種類が少ない傾向があります。また、縦ハゼ屋根の方が施工費用が少し安く済むのも魅力です。ただ、外壁のケースでは、縦葺きの方が高額になることが多く、屋根とは異なるので注意が必要です。

その他、瓦棒葺きと言う言葉も存在します。縦ハゼが出てくるまで主流であったトタン屋根に用いられる施工方法のひとつです。芯材として木の棒が入っていますが、雨の影響によりその芯材の木が腐ってしまい屋根がもろくなってしまうというデメリットがあります。対して、縦ハゼについては芯材をほとんど使用することなく、板金同士の折り曲げにより屋根材を固定します。結果、瓦棒葺きのデメリットを解消しており、太陽光発電システム用のパネルを設置する際にも用いられます。