シート防水とは、塩化ビニール樹脂または加硫ゴムで作られたシートを平らな場所に敷き詰める防水工法です。広い面積を施工するのに適しており、主にマンションやビルの屋上・住宅のバルコニーなどに採用されています。シートの厚さは1.2~2.5mm。工場生産のため厚みが均一で品質にムラがありません。ロール状のシートをたわみなく敷き詰める熟練した技術が必要です。

シート防水は既存の防水層の上にそのまま施工でき、下地の種類を選びません。専用の接着剤で貼る密着工法と、金具を使って固定する機械固定工法の2種類があります。密着工法は下地に直接貼り付けるもっとも一般的な工法で、短い工期と低コストが特徴です。機械固定工法は、鋼板製のディスク(金具)を500~600mmピッチで下地に打ち込み、その上にシートを敷いて溶着します。シートが下地に密着しないため、地震の揺れなどに影響されにくく、通気層が湿気を逃がしてくれます。

シート防水は10~15年の長い耐用年数でコストパフォーマンスに優れている反面、直射日光や表面への衝撃に弱い面もあります。また凹凸のある複雑な形状や天窓などの障害物がある場所は不向きです。そのような場所は、つなぎ目なく一体で施工できる塗膜防水(ウレタンやFRP)が適しています。