枝打ちは、樹木の枝を幹から切り落とす作業のことを指しています。林業における保育作業のひとつです。余分な枝や枯れた枝などをナタやオノなどを用いて1本1本切り落とします。商品価値を確保する目的で行ったり、社会的な要請により行うことがあります。実施する季節は、早春の木の芽時から紅葉の始まる晩秋の頃までが一般的です。

新緑の頃に行うと、幹が傷つきやすいので注意が必要です。加えて、冬の時期は枝が固くなりすぎてしまい、枝打ちの道具が傷む上、作業効率も下がるので避けられることが多いです。また、枝打ちには木を切る道具以外にも、ベルトやハーネスが用いられます。木に登る時の安全を確保するためです。万が一落ちてしまった時に備えて、ヘルメットも用意します。加えて、高さが2m以上の場所で作業するケースでは、枝打ちはしごも使われます。

一般的なはしごとは設置の仕方が異なり、斜めに立てかけるのではなくロープを使って木に固定して使用します。その他、混同しやすい用語として「枝払い」と「剪定」があります。枝払いは造材作業、剪定は造園作業で、林業作業の枝打ちとは目的が異なります。さらに、3者は道具にも違いがあります。枝払いや枝打ちはノコギリやチェーンソーなどを使います。一方、剪定は園芸バサミや剪定用のバリカンを使用します。