プレカットとは、木造住宅の建築に使用する木材をあらかじめ工場で切断、加工することをいいます。従前の木造住宅は、各部位の継ぎ手や仕口を現場で手工具により加工していましたが、プレカットを採用した場合、専門の工場で木材を加工するので、現場では組み立てに専念できます。
プレカットは、コンピューター制御で機械加工できる「プレカットCAD/CAMシステム」による全自動機で行われます。木造住宅の平面図や立面図などを基にした加工データをCAD(コンピューター支援設計システム)に入力し、その情報をCAM(コンピューター支援製造機)に転送して自動的に切削することで、加工精度の高い柱や梁、羽板材、パネルなどを生産することができるのです。
プレカットが工事現場で採用されるようになったのは1990年代に入ってからですが、現在では、木造住宅建築においては、ほとんどの工事現場で採用されています。
ここまで普及した要因としては、プレカット工場が、木材の管理から流通までを一貫して担っていることが挙げられます。
工場では含水率を管理した木材が加工されます。検査に合格した製品を施工者に渡すまでの期間は、品質を維持するために、ビニールなどでしっかりと梱包をして、一棟分の製品をまとめて管理します。
一方、工事現場では、基本的にノミやノコギリを使用しないため、作業を効率よく進めることが可能になりました。こうした利点が多いことからプレカットの採用が劇的に増加したのです。