左官とは建物の壁や床、土塀などをコテを使用して塗り上げる作業のことで、それを専門とする職人を呼ぶ時にも使われています。ちなみに、「しゃかん」とも呼ばれます。近年は、壁の土台となる下地作りが多くを占めることが多いです。下地を塗り中塗りを重ね乾燥し、上塗りで仕上げて乾燥させます。

漆喰や珪藻土、聚楽壁、モルタル、白州壁などがあります。漆喰は古くから外壁にも内壁にも使われてきました。近年では漆喰にも白以外の多彩なカラーがあります。漆喰は呼吸をするため、高湿期は水分を吸収するのです。その一方で、乾燥期は水分を放出します。そのため、年中室内を快適な環境に保つ力があるとされています。ホルムアルデヒドを吸着でき、シックハウスを防げるのです。雨が多く高温多湿の日本に最適な素材として親しまれてきました。珪藻土は植物プランクトンの一種・珪藻からできた完全な天然素材です。そのため、アトピー、シックハウス症候群などの症状を防げます。吸水性、耐火性、断熱性にも優れており、快適な生活を保てます。

左官は、大規模工事現場で行う野丁場と町場に分かれます。野丁場は、ビルやマンションの工事を中心に下地作りを行います。町場は一般の住宅で塗り壁などの仕上げ作業を実施することです。仕事はコテで塗るほかにセメント運搬してミキサーで練ります。左官になるには特に資格は不要で工事会社の見習いから始めます。下地作りや漆喰仕上ができるようになるには10年前後の修行が必要です。