「ピン接合」とは、建築部材を結合させる方法の1つである。「ピン継手」「ピンジョイント」と呼ぶ場合も見られる。
ピン接合では接合させた部分が回転するようになっている。複数の部材を留めるが一体化しない接合方法である。そのため、曲げモーメントが発生しない仕組みとなっている。

ピン接合はトラス構造やブレース構造の建築物などで採用される。ガセットプレートなどを使用して部材同士を留める。ガセットプレートと梁のウェブは高力ボルトで接合する。

ピン接合と対照的に、接合部分を固定させる接合方法を剛接合という。剛接合は耐震性に優れ、ラーメン構造の建築物で使用される。ただし、剛接合では曲げモーメントや剪断力などが発生するため、ピン接合と比べて柱や梁に変形が生じやすい。

ピン接合を用いると断面欠損が少なくなる。そのため、在来工法よりも強度の高い建築物となり、かつ在来工法の利点も引き継ぐことができる。また、ピンを差し込むという方法のため施工が比較的容易で、部材の品質も安定しやすい。

ただし、ピン接合は部材やピンを多く使用する必要があるため、他の接合方法よりもコストがかかる。さらに、接合部分が地震などでの外力で回転するおそれがある。そのため、ピン接合では筋交いなどで補強することが多い。