オーバーホール(Overhaul)とは、老朽化した機械を部品単位まで分解、点検、清掃、修理、交換、再組み立てを行うことで、当初の性能に戻すための予防保全作業のことです。建設業の場合、工事現場で用いる車両のエンジンや油圧ショベル、ホールローダーなどの重機の内燃機関、駆動部分を定期的な点検と合わせてオーバーホールを行い、不意な故障や能力低下を防ぎます。金属でできたエンジンや油圧シリンダー、ギア類は、使用年数により各部が摩耗、劣化してしまいます。
また、潤滑剤として用いられる油も劣化し、部品相互に隙間が生じ、異音や振動を発生させ、能力低下につながります。高額な重機の場合、故障の度に買い替えが難しく、経費を抑えるためにも重要な行為となります。また、オーバーホールを行うことで、今は製造されていない機械も使用することが出来る様になります。同じような言葉でレストア(Restore)やレトロフィット(Retroactive refit)という言葉もあります。
前者は重機の内燃機関や駆動部分だけではなく、外装、内装も含めた全体を元の通りに戻すことで、後者は古い機械に新しい機能、強度を付加することで、新しい時よりも性能を高めることを言います。機械を永く大切に使うことは、経費の削減のみならず、地球環境保全のためにも大切なことです。