墨出し(すみだし)とは、現地の床に壁や柱を立てる位置を示す線を描くことを言います。元来、壁の位置を記載する際には、墨壺(すみつぼ)と言う道具を用いてきました。墨壺は、墨肉と呼ばれる内部に真綿やスポンジなどが詰め込まれた墨を溜めておく部分と、墨糸、糸巻、先端に針が付いた仮子(かるこ)または猿子(さるこ)からなっています。

墨肉に墨汁を充填させ、墨壺の先端部分の墨糸が繋がった仮子を取り外します。線を引き始める箇所に仮子の針を刺して固定し、墨肉の墨汁を滲ませながら墨糸を引き出します。線の終点まで墨糸を引き出してピンと張ります。墨糸を指で引き上げて軽く弾きます。真っ直ぐした線の墨が床に転写されます。この作業から床に施工位置を示す線を引くことを、墨出しと言うようになりました。墨出しは基準となる親墨(おやずみ)を引くことから始めます。親墨には設計図面の通り芯を示す地墨(ちずみ)や床レベルを示す陸墨(ろくすみ)があります。

建築が進むと壁や床の仕上げ材で、墨が隠れてしまうことがあるため、フロアレベルから1,000㎜高い位置、通り芯から1,000㎜離れた位置に返り墨(かえりずみ)と呼ばれるを引いて、通り芯や床レベル位置を示します。

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