造成工事とは、現状のままでは利用できない土地を、目的に合わせて整備することです。造成工事と言えば、山林を切り開いて分譲地や道路を造ったり、海や河川を埋め立てたりといった大規模な工事を連想しますが、個人利用の場合でも、土地の形状を変更することは造成工事にあたります。土地を有効に活用するためには、住宅や駐車場など利用目的に合わせた造成工事を行うことが必要です。以下のようなケースが造成工事にあたります。

・傾斜のある土地に盛土や切土を行って平らにする
・土地の周囲に擁壁を設置し、盛土で地盤面を上げる
・土地の区画を変更して形状を整えたり、面積を広げたりする
・田畑などに家を建てるため地盤改良を行う
・樹木や下草を伐採し、根などの障害物を取り除いて整備する

建築物や工作物を造る目的で、土地の区画や形質の変更を伴う造成工事を行う場合、都市計画法の開発許可申請が必要になるケースがあります。たとえば、原則として建物を建てられない市街化調整区域内で造成工事を行う場合や、市街化区域であっても造成工事が一定の面積を超える場合などです。また、宅地造成規制法によって無秩序な造成が規制されている区域では、切土や盛土の規模、および工事面積が一定の範囲を超える場合、無許可で造成工事を行うことはできません。