相欠きとは、木材の継手や仕口の一種である。「相欠き」は「あいがき」または「あいかき」と読む。
角材など2つの部材をそれぞれ2分の1ずつほど欠き取り、同じ形にする。片方の部材にもう片方を乗せ掛けてつなぐ。相互に同じ形で欠き取るので「相欠き」という。

相欠きの歴史は古く、古墳の石室には石を互いにはめ込む相欠きの技法が使われていた。鎌倉時代頃に建築された、国宝に指定されている浄土寺浄土堂にも、相欠き工法が使用されている。現代でも、格子壁や棚などに相欠きが用いられる。

相欠きの継手にもいろいろな種類がある。先端が広がった蟻形相欠き継ぎ、蟻形を貫通させずに途中で止める包み蟻形相欠き継ぎ、45度の角度を付けた相欠きをつなぎ合わせる留め相欠き継ぎなど。相欠きの形により矩(かね)相欠き継ぎ・T形相欠き継ぎ・十字相欠き継ぎといったものもある。
伝統的な工法では、相欠きはノミなどを使って手作業で丁寧に作られていた。現代では丸鋸やトリマーを使用して手早く作り上げることも。
相欠きは他の継手と比べて作るのが容易で、部材と同じ厚さに収められるというメリットがある。ただし、継手の中では接合強度が弱い部類である。そのため、釘打ちや接着剤の使用などで補強することが多い。