建築現場では、水の侵入を防ぐために施された建具の立ち上がりのことを水返しと言います。水返しは様々な部位で利用されています。屋根、床、サッシ、厨房の流し台などがあげられます。

例えば、屋根の瓦では瓦同士の重なり部分に6mm程度の立ち上がりが施されています。この部分のことを水返しと呼んでいます。

また、雨水やその他の水の滞留を防止するために施す傾斜を水返し勾配と呼び、出窓の下部では、水返しを流れてきた水の流れ込みを防止する汚垂れ(おたれ)と合わせて施されています。汚垂れには先端に溝が施されており、水切りを良くする仕組みとなっています。

サッシには風雨に対する防水性が要求され、サッシ1平米あたりの最大風圧力条件下でJISで定義されるグレードによって水密性が表されています。

雨水浸入の要因と対策は以下になります。

《重力》
目地内の下方に向かう経路に雨水は自重で浸入します。十分な高さの水返しや上向き傾斜の目地で対策します。

《表面張力》
雨水は表面を伝い目地内に回り込んできます。これに備えて水切りを設けます。

《毛細管現象》
わずかな隙間へ雨水が吸収されてしまいます。緩衝となるエアポケットを設けたり、隙間を拡大したりして対策します。

《運動エネルギー》
風速により水滴が運動エネルギーを持ち内部に浸入します。迷路などを設けて運動エネルギーを消耗させて対策します。

《気圧差》
建物内外の気圧差による空気の移動によって雨水が浸入します。間隙を塞ぎ空気の移動を防止して対策します。