ヤング係数は、木材や鉄鋼、コンクリートなど、材料の強度や弾性を示す指標のひとつです。構造力学や構造設計で重要な概念とされており、イギリスの物理学者トーマス・ヤング氏の名に由来します。単位には、「N/m㎡」、「MPa」、「GPa」が使われます。建築の分野においては、「N/m㎡」が使われることが多い傾向にあります。ヤング係数は、値が大きければ大きいほど部材もより硬くて形が変わりづらく、反対に値が低ければ低いほど部材はやわらかくて形が変わりにくいのが特徴です。

また、値が大きい材料には、金属類やセラミックス、鉱物などが該当します。一方、値が小さい材料には、木材やゴム類、樹脂類が該当します。ヤング係数は、「フックの法則」を用いると求められます。計算式は「応力=ヤング係数×ひずみ」です。ただ、フックの法則が適用できる条件として、材料が弾性状態であることがあげられます。例えば、鋼のように力を加えると変形してしまい、元に戻らない材料には適用できないので注意が必要です。

その他、「縦弾性係数」や「弾性係数」、「弾性率」、「ヤング率」と呼ばれることもあります。混同しやすい用語として「ヤング係数比」がありますが、鉄筋のヤング係数とコンクリートのヤング係数の比率のことを意味しているので、ヤング係数とは意味が違うので注意が必要です。