潮位(ちょうい)とは、基準面からの潮汐による海面高を言います。潮汐(ちょうせき)は、いわゆる潮の満ち引きです。潮汐は約半日でゆっくり海面が上下変化する現象です。
こうした中一定の高さを基準面とし、略最低低潮面(ほぼさいていていちょうめん)としています。
略最低低潮面とは「これより低くならないと想定される潮位面」を意味します。海は常に動いており、海面の高さを特定するのは困難です。海面は風や波でうねりがあり、海面高は常に変動します。それでも、これらの要素を除き、潮位を把握することが必要です。厳密な定義があるものの、おおむね干潮の海面に近くなります。
近年増加している水害リスクは、建築業界においても深刻です。被害を軽減するためには、正確なデータが必要となります。個人でも潮位などを把握し、リスクに備えることは大切です。台風やゲリラ豪雨などのおそれのあるエリアは少なくありません。そのため、建築のことを踏まえ、情報収集が行われています。構造物の配置やコストの検討などには気象も深く関わります。
海岸堤防や海岸護岸の設計には特に必要なデータです。大潮小潮の差や高潮、台風も深く関係します。また、潮位に対して地盤高が低いゼロメートル地帯もあります。そうしたエリアに建築物を安全に建てるためにも重要です。潮位偏差はエリアや地形で大きく異なることも問題です。不確実性が高く、予測や定量化には至っていません。