熱抵抗とは、断熱性能を知るための数値です。値が大きいほど、「熱が伝わりにくい=断熱性能が高い」材質であることを示します。建物の断熱材選びをする際に参考にする値です。

熱抵抗(R値)の計算は、
熱抵抗R( m²・K/W)=材料の厚みd(m)÷熱伝導率λ(W/(m・K))
という式で求めます。同じ材料でも厚みによって伝わりにくさが変わるということを表しています。
似た言葉である「熱伝導率」は、熱抵抗値と反対に「熱の伝わりやすさ」を表す数値です。製品ごとに値は一定で、値が小さければ「熱の伝わりが遅い=断熱性能が高い」ことを示します。

断熱材にはグラスウール(マット状)、硬質ウレタンフォーム(吹付またはボード状)、ポリスチレンフォーム(ボード状)、セルロースファイバー(吹付)といったさまざまな製品があり、熱伝導率はひとつひとつ異なります。断熱材を選ぶときは、材質そのものの熱伝導率だけでなく、厚みによって変わる熱抵抗値やコストを考慮に入れる必要があります。すなわち、熱抵抗値が高い断熱材は、薄くても断熱効果が高く、熱伝導率が高い材料は、厚くすれば断熱効果が上がるということです。

たとえば、グラスウールは低価格ですが熱抵抗値を高めるには厚みが必要です。一方、ウレタンフォームなどの発泡プラスチック系の断熱材は、薄くても高い熱抵抗値がありますが、高価格です。したがって、断熱材を入れるスペースや、コストパフォーマンスのバランスを検討して選ぶことが大切です。