建築におけるスランプとは、生コンクリートが固まる前の柔らかさを表す値のことである。スランプ値ともいう。

生コンクリートの流動性やコンクリート打設作業の効率性を示す指標となる。単位はcmが使われ、数字が大きいほど流動性が高く粘度の低い生コンクリートとなる。

スランプ値を測るスランプ試験の方法は、まずスランプコーンと呼ばれる円筒状の容器に生コンクリートを詰めて撹拌する。それを逆さにしてから垂直にスランプコーンを引き抜く。

スランプコーンを引き抜いて残った生コンクリートは下がってくるが、その高さをスランプコーンの高さから引いた数値がスランプ値となる。

建築で使われるスランプの標準値はおおむね18cm以下とされる。現場で計測する際は、スランプが8〜18cmの場合はプラスマイナス2.5cmの誤差を許容範囲とする。

ビルなどの建築物の施工には、鉄筋が密集していたり型枠の形状がまちまちだったりするため、流動性の高い生コンクリートを使用することが多い。逆にダムなど強度が求められるものには低スランプのコンクリートが使用される。

混和剤の使用などでスランプ値が必ずしもコンクリートの強度と比例しないため、数値の適用には注意が必要である。