建築において勾配(こうばい)とは、地盤や屋根などの傾き具合や角度のこと。階段やスロープ、配管や土手など、建築ではあらゆる場所に勾配がつけられることがあります。

建築では、工事の種類により勾配の表し方が変わる傾向にあり、使われる単位もさまざまです。一般的な勾配〇〇度といった表現はあまり使われません。

堤防などの勾配は、法面勾配または法勾配と呼ぶ。高さを1とした場合の、底辺の長さとの比率を1:1.5などと表す。1.5を1割5分などと表現することも。

配管など設備工事では、〇/〇(〇分の〇)などと表記する。たとえば、1m(1000mm)当たり2cm(20mm)の勾配をつける時は、2/100となる。

屋根勾配にも、〇/〇という形式が採用されている。金属葺きは1/10以上、瓦葺きは4/10以上など、必要とされる最低勾配が決められている。ただし、屋根工事の現場では〇寸勾配という言い方が定着。4/10勾配の場合、4寸勾配という。

道路工事では、勾配を〇〇%と表示することが多い。

法面の長さなどは、計算式を用いるか勾配換算表で算出する。水平器・傾斜計・スラントなど、勾配を測る器具は数多くある。最近では、デジタル機器やスマホアプリなどでも勾配を測れるようになってます。