尺貫法(しゃっかんほう)とは日本独自の計量法のことです。

そのルーツは中国にあるといわれ、長さや面積、重さなどを表す単位として用いられます。701年の大宝律令の頃より使用され、1958年までは現在のメートル法と併用されていました。
しかし、翌年には廃止され、1966年には国際的な標準規格へと統一されました。そのため、取引や証明といった住宅設計における正式な書面などでの使用は禁止されています。
しかしながら、畳や押入をはじめとした日本人の生活様式を表すにはなじみが深く、建築現場においては現在でも使用が認められています。

尺貫法の単位は、長さ=尺・寸(すん)、質量=貫、面積=坪、体積=升(しょう)などで示します。メートル法で表すと、1寸=約30.3mm、1尺=約303mm、1間(けん)=1820mm(=6尺)、1貫=3.75kg、1坪=約3.3㎡(およそ畳2帖分)、1升=約1.8ℓとなります。
また、尺貫法の単位である「尺」を基準に用いた住宅設計の場合、関西圏や関東圏など地域によって値が異なることがあるので注意が必要です。代表的なものに「京間」や「江戸間」が挙げられます。尺貫法において長さの単位を表す「間」は、本来、建物の柱と柱の間隔(柱間)を表すものでした。
そして畳の縦横比は、基本的に6尺(1間):3尺(半間)で2:1になっています。そのため、畳のサイズをもとに柱を設置して部屋の大きさを決める京間と、柱間に畳のサイズを合わせる江戸間とでは1間の長さが異なります。