呼び径(よびけい)とは、管やボルトのサイズを表す言葉です。径という言葉が使われているとおり、円形の物体の直径を指します。管は中が空洞のため、直径には外径と内径(厚みを除いた寸法)がありますが、ボルトの直径は外径だけです。細いものから太いものまである管やボルトの規格は、呼び径がそのまま製品の名称として使用されていることがほとんどです。しかし、呼び径は正確な寸法ではなく、実際の寸法に近い数値で表されています。

たとえば、塩ビ管「VP100」という規格は、呼び径が100mmの 製品です。VP100の実際の寸法は、外径が114mm、内径が100.8mm、厚み6.6.mmで、ぴったり100mmという数値はありません。しかし小数点以下の数値を含めるより、その寸法に近い整数で表す方が分かりやすいため、便宜上VP100と呼んでいます。これが「呼び径」といわれるものです。

アンカーボルトの呼び径は軸の外径で表します。アンカーボルトにはABRとABMの2種類ありますが、製造方法と呼び径に違いがあります。ABRは機械で削り出す切削加工のため、呼び径よりも実際の軸径が小さくなります。たとえばM16は、軸の外径が14.54mm、M20は18.2mmです。一方ABMは転造ねじといい、転がしながら圧縮する塑性加工のため、呼び径と軸径が一致しています。