寸法とは、建築図面に必ず明記しなければならない大切な要素です。設計者から工事施工者へ情報を正しく伝えるための手段です。平面図・立面図・展開図といった意匠図から、梁伏図などの構造図、電気・給排水の設備図まで、すべての図面に記入します。
建物の大きさや高さは、芯々寸法(部材の中心〜中心)で表します。そのほか柱の太さや壁の厚み、家具・建具のサイズ、隣地境界線から建物までの距離、道路幅員など多くの情報を数値で示します。
建築図面の寸法単位はmm(ミリ)です。1mや100cmではなく1,000mmと表します。また寸法には単位を付けないため、図面には単に1,000と書きます。
平面図は建物の外周に対して平行に寸法線を引きます。単純な四角形の建物であれば、南北側は横線、東西側は縦線です。斜めの部分があれば寸法線も斜めになります。立面図ではGLからの床高や軒高、軒の出などを記入します。展開図では開口部や天井高(有効寸法)、建具や設備機器の取り付け位置などを示します。
寸法線は建物の線より細い実線で描き、数値は寸法線の上側に書きます。寸法線が傾いている場合は数字も傾けて書きます。引き出し線は寸法線に対して直角です。交点には小さく黒丸を打ち、スパンごとの寸法と全体の寸法を2段〜3段で表します。