露点温度とは、気体を冷却していった時に結露が起こる温度のこと。空気中の水蒸気が水滴になる温度も露点温度と呼ぶ。簡単にいえば、露点温度が高いと湿度も高くなり、露点が同じ場合は気温が高いほど湿度は低くなる。
露点温度を計測する露点温度計という機器がある。露点温度計では露点温度のほか、水分量や湿度も測れる。高分子式静電容量センサー式・酸化アルミ式静電容量センサー式・鏡面式などがある。
露点温度計を使用する以外にも、気温と相対湿度から水蒸気圧を求め、算出した水蒸気圧から飽和水蒸気圧となる温度を求めることで露点温度が導き出せる。ただし、露点温度を計算するには複雑な数式が必要なため、コンピューターによる自動計算や計算ソフトを使用する場合が多い。飽和水蒸気圧表や空気線図を用いる方法もある。
建築現場では、塗装の際に露点温度を注視する必要がある。適正な露点温度で塗装しないと塗料が乾きにくくなり、塗料の付着が不完全になったり塗面にピンホールが形成されたりする。
空調設備の工事でも、露点温度を算出した上で設備を設置しなければならない。湿度が上昇して結露が発生すると、カビなどの原因となる。所定の室内温度や湿度に対応する露点温度になるように制御して再熱量などで調節する、露点制御という方法が採用されている。