暗騒音は、特定の発生源による騒音を計測する場合に、発生源の他から発せられているすべての騒音を指しています。例えば、航空機や自動車などを対象に計測する場合での、航空機や自動車以外の音のことです。したがって飛行機のケースであれば、航空機自体が飛んでいない時の騒音レベルのことです。
一般的に、計測したい音以外の音が全く発せられていない場所はありません。よって、特定の騒音を計測する場合、同じ場所で計測の対象である騒音が発せられていない状態も測る必要があります。また、そもそも騒音は複数が干渉し合います。特定の発生源から純粋な音の値を知るには、それぞれの値を利用して補正する必要があります。
しかし、「計測の対象となる騒音ー暗騒音」というような単純な計算式にはならないので気をつけなければいけません。その他、「JIS Z8731(1999)環境騒音の表示・測定方法」では、その騒音がある時とない時に計測器に示される値の差が10dB以上あるケースでは、暗騒音の影響はほとんど無視することが可能と規定されています。したがって、航空機を評価する時は、暗騒音よりも10dBよりも大きい航空機の騒音のピークレベルが対象です。