アス比は、「アスペクト比」を短くした言い方となる。日本語で「塔状比」という呼び名もある。
アス比がよく引き合いに出されるのは、テレビやPCの画面である。現在は横と縦の長さの比率が16:9の画面が採用されているが、この16:9の比率がアス比(アスペクト比)である。

建築の場合でも、断面が長方形のダクトで縦と横の長さの比率を表すのにアス比が使われている。アス比が大きいダクトは空気抵抗が大きくなり、騒音の原因にもなる。
さらに、建物の高さと幅の比率でアス比を使うことが多い。特に高層建築物においてアス比が考慮され、三角形の高層建築物を長方形のものに換算するなどでアス比を算出する。

建築物のアス比は、建物の高さを建物の幅で割って計算する。アス比が4以上の建築物は塔状建物と呼ばれ、地震や台風などの影響を受けやすくなる。

そのため、アス比の大きい建築物には、倒壊などを防ぐ対策が必要である。杭を設置して、建築物が浮き上がるのを防いだり、建築物の重心を下げるように設計したりする。柱を太くしたり、免震装置を導入したりするのも有効。
近年では、アス比が10を超える高層建築が増えた。東京スカイツリーも、そのような建築物に分類できる。アス比10以上の建築物をスレンダーネスと呼ぶこともある。