気積(きせき)とは、室内の空間の総量を意味するもので、床面積に天井高さを乗じて求めます。単位は立方メートルで表現しています。

事業所での環境維持の観点から、労働安全衛生規則第六百条では、常時就業させるための屋内作業場を室と呼び、その気質を床面から4m上の空間を除いて、労働者一人あたり10立方メートル以上とするように規定されています。

建築基準法による容積率とは、建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合いをさし、気積がさす空間とは異なるものです。

建築基準法施行令第21条では、居室の天井高さは2.1m以上でなければならいとされ、異なる高さが生じる時はその平均の高さと規定されています。

気積は、室内の空間の設計に取り入れたい考え方です。同じ床面積でも隣接する各種装置や空間との相対的な変化を気質の大小のメリハリで表現することが可能です。例えば、狭小の四畳部屋の床面積で天井高さ2.1mが連続して隣接するものと、一方の四畳部屋に天井高さ3.9mを与えることで、気質は一気に1.85倍となり、解放的な印象を与えることができるようになります。空間を仕切らずに気質に変化を与える一つの考え方です。