コテ(漢字で「鏝」と書く)とは、手に持って使用する道具の総称である。ハンダゴテやコテノミなど、建築業界ではさまざまなコテが使われている。特にコテが多用されているのは、左官工事においてである。

コテの種類は非常に多く、300種類以上あるといわれる。材質により木ゴテ・金ゴテ・ゴムゴテ、形状で角ゴテ・柳刃ゴテ・富士引コテなどに分けられる。工程により中塗りゴテや仕上げゴテ、作業箇所によりレンガゴテ・ブロックゴテ・土間ゴテ・目地ゴテといった名称が付けられている。

コテを持つ部分は「柄」、柄がついている部分と同じ面が「背」、その反対側の面が「腹」という。コテと柄を繋ぐ部分が「首」で、首をコテに留めた部分が「カシメ」である。コテに過度な力を加えるとカシメが破損するおそれがあるため、注意を要する。
コテの一般的な使い方は、片手でコテ、もう一方の手でコテ板を持つ。モルタルや壁土などをコテ板に盛っておき、適量取ってからコテで塗り広げていく。壁の下地を作ったり、壁や床などの表面を仕上げたりする時にコテが使われている。
作業終了後には、コテを放置することなく、コテに付いたモルタルなどを水でよく洗い流さなければならない。コテを洗い終わった後は水分をよく拭き取って乾かし、サビなどが付かないようにする。コテをサンドペーパーで手入れしたり、オイルを塗ったりするのも効果的である。