建設工事におけるリバウンドとは、地盤を掘削したときに掘削面が膨れ上げる現象のことで盤ぶくれとも言います。リバウンド・盤ぶくれは掘削によって上に載っていた土が取り除かれたために、それまで押えられていた下の土が膨らむことで起こる現象であり、山留壁の外側にあった土が円弧滑りによって掘削面を押し上げるヒービングや、掘削面の地下水位が下がることで起きるボイリングとは発生のメカニズムが異なる現象です。

近年は都市部を中心にして地下利用が増え続けているため、大規模かつ大深度での地盤掘削を伴う工事も増加傾向にあります。リバウンド現象はこのようなケースで起こりやすく、その場合、掘削面以深の支持地盤は膨れ上がることによって剛性が低下してしまう。このため、基礎設計段階で行われる支持地盤の評価は、施工条件を考慮し、場合によってはリバウンドによる剛性の低下を見込んで行う必要があります。

土工事におけるリバウンドとよく似た言葉に杭工事で用いられるリバウンド量があります。こちらは杭を打設した時に瞬間的に生じた最大沈下量と、静止状態になったときの沈下量(貫入量)の差を示す言葉だが、リバウンド量ではなくリバウンドと表現されていることもあるため注意が必要です。