中性化とは、コンクリートが劣化する現象の1つである。原因となるものは空気に含まれる二酸化炭素。
通常は強アルカリ性であるコンクリートに大気中の二酸化炭素が侵入すると、pHが低下して中性化が進行する。中性化が進むとコンクリート内の鉄筋が腐食して、コンクリートの剥離やひび割れなどが発生する。

中性化の発生で、建築物の耐久性能は著しく低下する。
中性化の進行を計測する主な方法には、ドリルなどを用いてコンクリートのコア部分を抜き取るコア抜き法と、ドリルでコンクリートを削った時に出た粉を利用するドリル法がある。どちらの方法でも採取したコンクリートに試験液を噴霧することで、色の変化により中性化の進行度合いを判断できる。

中性化を予防する方法はさまざまなものがある。水セメント比の小さいコンクリートを使用したり、養生期間を長くして表面の乾燥を防いだりすると効果的。かぶりを大きく取ったり、表面を塗装したりする方法なども有効である。
中性化が原因でコンクリートの劣化が激しくなった場合、断面の修復やひび割れ注入をする必要が生じる。コンクリート内に電流を流して再アルカリ化を促したり、鉄筋に向けて電流を流して鉄筋の腐食を防いだりする工法もある。コンクリートの点検や維持管理も重要となる。