負圧(ふあつ)とは、室内の圧力が周囲若しくは大気圧(標準気圧:101,325 Pa)よりも低い状態のことを言います。逆に室内の圧力が高い状態のことを正圧(せいあつ)と言います。送風機で部屋の換気をする方式で、給気の風量よりも排気の風量の方が大きい場合、室内は負圧となります。

負圧の場合、周囲からの空気を取り込み、室内の空気が漏れにくくなります。その為、臭気を発生するトイレ、湯気が発生する浴室、燃焼ガスを発生する厨房では負圧とする換気設備を設けます。また、バイオハザードエリアや感染症の病室も負圧とすることにより、室内のウィルスが周囲に拡散しないようにします。換気方式で第三種換気とは給気口から自然に空気を取り入れ、送風機で室内の空気を排出する方式のことを言い、室内は負圧となります。住宅では主にトイレ、キッチン、浴室に排気のための換気扇を設けて負圧となっています。

排気設備と一緒に十分な給気口も確保することで、効率的に換気量を得ることができます。鉄筋コンクリート造のマンションでは気密性が高いため、必要な給気口を確保しないまま排気設備を稼働させると、室内が極端な負圧となります。それによりサッシの隙間からの風切り音の発生のみならず、玄関扉に大きな力が掛かり、開閉が困難となることもあるので注意が必要です。