ヒービングは、掘削底面が持ち上がる現象のことを指しています。軟弱な粘性土質地盤で土留工を行う際に発生することが多いのが特徴です。起きてしまう理由は、大きく3つあります。1つ目は、高い地盤面に対して根切り底の落差が大きい場合です。大きければ大きいほど土が重くなって、沈みやすくなります。

2つ目は、高い地盤に荷重が作用している場合です。高い地盤に対して土の自重以外の重量が加わると、沈みやすくなります。3つ目は、根切り面より下の地盤が弱い場合です。また、対策は大きく4つあります。1つ目は、根切り底面より下に対して地盤の改良を行い、強度を向上させる方法です。

2つ目は、根切り底面、元の地盤面の落差を小さくすることです。3つ目は、山留め自体をより強固な地盤まで伸ばす方法です。4つ目は、元の地盤にかかる荷重を減らす方法です。例えば、アンダーピニングを行います。これは、基礎を支えることを意味しています。隣接した建物の基礎部分から、仮設の支えを良質な地盤まで設けます。その他、混同しやすい用語にボイリングがあります。ボイリングは、地面から砂と土が混在した泥水が噴き出る現象のことです。掘削底面が持ち上がる現象であるヒービングとは異なります。