地絡は、電気回路が地面に近づいて触れることで大地に電流が流れる現象のことを指しています。他にも、漏電と呼ばれることがあります。地絡のある場所に人が触れてしまうことで感電を引き起こす可能性もあり、重大な電気事故につながる可能性もあります。加えて、可燃物や引火物が近くにあることにより地絡電流の発熱が原因で、引火や発火につながるケースもあるので注意する必要があります。発生する原因はさまざまです。例えば、電線に対して樹木やクレーンのアームなどが触れたり、電線に鳥が巣を作ることで発生します。その他にも、配線のカバーが劣化などによってはがれたりすることで、露出した導体部分が大地と触れた際に発生します。また、地絡した電気回路は、重大な事故を引き起こす前にすぐに遮断する必要があります。地絡継電器あるいは漏電遮断器などを使用することで、電気回路を遮断します。
その他、似ている意味を持つ用語に短絡があります。2つの相、あるいは3つの相の線間が負荷を通さずに近づいて触れた状態のことを意味します。具体的には、電気配線を覆って保護するものが破れることにより、むき出しになった状態の電線が触れてしまうことです。大地に接触して起きる地絡とは異なるので、注意が必要です。