水盛り管とは、建築現場で水平を出す道具のことです。水盛缶(容器)に水を入れ、そこから繋いだ透明の管を移動させて水面の位置を押えていくことで、水平を導き出します。容器内とホース先端の水面が同一の高さ(水平)になるサイホンの原理を利用しているのです。

建物を建てる場合、遣り方(やりかた)という、柱や壁などの中心線を設定し仮設物を築く工程から始めます。最初に一定間隔に水杭を立て、そこに水平ポイントを記して、水貫でつなぎます。この水平ポイントを出す際に用いられるのが水盛り管です。

古くから現場で採用されているのは、バケツと透明で細いビニール管を用いる方法です。まず水を入れたバケツの中にビニール管の片端を浸し、反対側から水を吸い上げて水を通します。これで、ビニール管の中の水は、常に一定の高さにあり、バケツの中の水の表面と同じ高さにあります。水が排出しないように気をつけながら、各水杭の位置に移動させて、ビニール管内の水の天端と同じ高さに印をつけるのです。

簡易な方法で正しく水平を出すことができますが、慣れないうちは、水が漏れたり、管がねじれたりすることから、手間を要することもあります。

近年は、光学機器であるレーザーレベルを用いて水平を出す方法が普及してきましたが、歴史的な経緯から、こうした作業は現在でも多くの人が「水盛り遣り方」と呼んでいます。