壁紙のうち、ポリ塩化ビニールを主原料とするものがビニールクロスである。「ビニル壁紙」「ビニクロ」とも。
ビニールクロスを使用する最大のメリットは、塗壁などと比較して施工費用が安価となること。低価格のもので1平方メートルあたり1000円前後、上質とされるものでも1500円程度である。
また、ビニールクロスは耐水性に優れた素材のため、水拭きして汚れを落としやすい。湿気のこもりやすいキッチンや浴室などには、防湿性や防カビ性の機能があるビニールクロスを使用すると良い。
色やデザインのバリエーションが多いのもビニールクロスの特徴の1つ。プリントやエンボス加工されているものもある。製品によっては、撥水・蓄光・消臭などの特化機能を有するものも。
ただし、ビニールクロスは安価な分、耐用年数は10年前後と短い。部分的な補修にも向いていない。そのため、ビニールクロスのメーカーは10年程度で張り替えることを推奨している。
さらに、ビニールクロスにはホルムアルデヒドなどの化学物質を含む場合がある。シックハウス症候群の原因となり、廃棄時に焼却する場合はダイオキシンなどが発生するおそれもある。そのため、最近ではビニールクロスの使用量を減らそうとする取り組みも行われている。