通気管は、排水設備において重要な配管です。通気管から排水管内部に外気を取り込み空気圧を調整することで、排水がスムーズに行われます。建築基準法施行令では、キッチン、洗面所、浴室、トイレなどの排水設備には、通気管と排水トラップを必ず設置しなければならないと定めています。

排水は重力に従って管の中を自然に流れていきます。同時に空気も押し出されるため、足りなくなった空気を補充しなければ、スムーズに流れません。しかし排水管の上流には排水トラップがあり、常に水が溜まっています。そのため通気管を設置して、外気を取り込む必要があるのです。

通気管は排水トラップに溜まっている水(封水)を守る役目もあります。封水は室内に下水管の悪臭や虫が上がってくるのを防ぎますが、通気管が無いと排水によって引っ張られ、流れてしまうのです。
このように重要な役目を持つ通気管は、一般的に次の3つの方式で配管します。各個通気方式は、器具ごとに通気管を設ける方式です。ループ通気方式は、2~8個の器具にまとめて通気管を通します。伸頂通気方式は、排水立管の最上部を延長して通気管として利用します。

通気管は、汚水が入り込まないよう排水横管に対して直角~45°以内の上向きに設置します。通気立管の上部は、異物混入を防ぐため開放したままにせず、ベントキャップで蓋をします。