無目は、木造建築において溝をついていない鴨居のことです。開き戸の鴨居部分のことを指す場合もあります。そのほかにも、窓の上下がつながっているものや、ドアの上下を仕切る部材のことを無目と呼ぶことがあります。もともとは、伝統的な木造建築の内法高にある建具用の溝が彫られていない鴨居を指す用語として使われてきました。しかし現在は、開口枠の水平部材全般を指しており、カーテンウォールでいえば横桟の部材のことです。

また、化粧材としても用いられるという特徴があります。丸太の中でも、皮付きのものや竹を用いることがあり、水平に用いられるのが一般的です。たとえば、床などの仕上げ材が変わる箇所などにいれて、左右のつながりをうまく納めるために用います。

その他、混同しやすい用語に『無目枠』があります。扉の開口部分を囲んでいる枠部分のみのことを指しており、建材やエクステリアのひとつです。玄関の扉などに用いられる硬質な材質のものではなく、室内を区切るために用いられる木製ドアを指す場合にも用いられます。素材は多くの場合、「MDF」という木材を繊維状に解してから接着剤などで板状にした繊維板です。表面をオレフィンシートでカバーすれば、すり傷や衝撃などに強くなります。