タイルとは物を覆う目的で石や粘土を焼成して造られたものを意味し、英語のTileには瓦や化粧レンガも含まれる。転じて規則的に分けられた平面上の区画もタイルと呼ばれ、タイルカーペットやPタイルのタイルはこの意味である。
日本では6世紀に大陸から伝わった瓦の技術を応用して寺院の敷瓦などに用いられたのが始まりとされる。建築用タイルは従来、磁器質タイル(原材料・石英や長石など)、せっき質タイル(原材料・粘土と長石など)、陶器質タイル(原材料・陶土や石灰など)に分類・運用されてきたが、現在の日本工業規格(JIS)では吸水率によってⅠ類(3%以下)、Ⅱ類(10%以下)、Ⅲ類(50%以下)に分類されている。また、釉薬(ゆうやく)を用いて表面にガラス層を形成したものを施釉タイル、素地のままのものを無釉タイルと呼ぶ。
主に建物の外装に用いられる二丁掛タイル(227×60mm)や小口タイル(108×60mm)は積みレンガを基準にして寸法が決められていたが、近年は50mm・100mmサイズのタイルも増えてきている。因みに吹付タイルのタイルは、タイル並みに建物を保護するという意味でつけられた商品名(ボンタイル)が語源とされ、上記のタイルとは別物となります。