「帯筋」と書いて「おびきん」と読む。鉄筋の一種。「フープ」ともいう。
鉄筋にはいくつか種類があり、柱や梁の引張力を負担するメインの太い鉄筋が主筋である。柱に入った主筋を取り囲むように、水平方向に配筋されたものが帯筋となる。
帯筋は柱に作用する剪断(せんだん)力に抵抗するために配筋される。また、主筋を帯筋で拘束して、主筋が座屈するのを防ぐ役割もある。帯筋は剪断力に抵抗するので、剪断補強筋の一種とされる。
同じ剪断断補強筋で、あばら筋(スターラップ)と呼ばれる物がある。帯筋が柱に使われるのに対して、あばら筋は梁の内部に使われる。どちらも剪断力に抵抗するが、あばら筋には主筋を拘束する役割がない。
帯筋を配筋するやり方は主に2つある。1つは、帯筋にフックを取り付けてから主筋に引っ掛けて巻き付けるやり方。もう1つは溶接閉鎖型と呼ばれ、帯筋をロの字に加工してから先端を溶接して閉じる。
コンクリート柱の断面に対する帯筋量の割合を帯筋比(おびきんひ)という。建築基準法により帯筋比を0.2%以上、帯筋の間隔を100mm以下にしなければならないが、150mm以下にできる例外もある。あばら筋にも同じ規定が適用されるが、帯筋の場合は縦方向と横方向の両方で配筋量を満たす必要があり、あばら筋以上に考慮しなければならない。