タイロッド(tie rod)はつなぎ材のことをいう。建築でタイロッドとは、張力を利用して構築物を安定化させる棒状の構造材。2つの部材をつなぐために使用する。
ターンバックルと呼ばれる部品を使用することにより、タイロッドを締め付ける張力を調整できる。長さの調節も可能。
タイロッドには普通鋼(SS材)や高張力鋼(NHT材)が使われていることが多い。普通鋼は汎用性が高い、高張力鋼は強度が高い、などのメリットがそれぞれにある。
矢板工法においては、矢板の上部付近にタイロッドを取り付けて、土圧を控え板などに伝える。矢板とタイロッドとの間にターンバックルを挿入して締め付ける。
河川や港湾の矢板式係船岸などでもタイロッドが使われる。矢板単体では保持できない場合には、前面側の矢板をタイロッドで背面側に引っ張るようにして使用。
海や河川で施工する場合、台船からクレーンを使用して、吊り治具でタイロッドを水平に吊り上げて据え付けする。鋼矢板間の幅が狭い場合などは、吊り治具を使用せずにワイヤーのみで玉掛けを行うことも。
陸上施工の場合は、先行据え付け用タイロッドとターンバックルを仮組みしておく。重機で据え付けた後、接続用タイロッドをターンバックルで連結する。