式台(しきだい)は、玄関の土間と床の段差が大きいケースにおいて設置される板のことを指しています。主に、和風の玄関で用いられています。材料には、欅(けやき)や肥松(ヤニマツ)などの堅木が使用されることが多い傾向にあります。なぜなら、柔らかい木材は性質的には式台には不向きだからです。加えて、武家屋敷において来客者が地面に降りることなく、カゴに乗れるように設けられた板の間が由来といわれています。よって、もともとは客を送り迎えする場所でした。しかし現在は役割も増え、上がり口に登る際の踏み台や、腰掛けとしても使われています。

また、式台については住宅金融支援機構監修の「木造住宅工事仕様書」に基準が明記されています。基準は、上がり框(かまち)の高さ(土間と段差)については、18cm以下の高さにすることです。仮に18cm以上の段差があるような場合は、式台を設けることで段差を解消することになっています。

その他、書院様式のように、床下の風通しを考えた作りになっているケースでは、玄関の段差が大きくなってしまうため、式台が必要だとされています。なお、掃き出し下の段差が大きいケースでは、雨に濡れてもいいように靴脱ぎ石が使用されています。