鋼(はがね)とは、鉄に0.02%から1.7%の炭素を加えた合金のことを指しています。さらに微量ではありますが、マンガン、リン硫黄なども含みます。鋼は鉄と比べると、強度、粘り強さ、加工性が秀でているのが特徴です。よって、鉄よりも工業製品の材料として向いているといえます。炭素の量が増えると硬くなるというメリットがある一方で、粘り強さが弱くなるというデメリットも生じます。
また、鋼は大きく2つにわかれます。「SS材(一般構造用圧延鋼材)」は、汎用性が高いのが特徴でさまざまな分野で用いられます。具体的には、SS300、SS400などがあります。中でもSS400は他のものと比べると安く、流通している量も多いので手に入れるのが簡単です。ただし、溶接加工には向いていないので注意が必要です。「炭素鋼鋼材S-C系(機械構造用炭素鋼鋼材)」は、硬度と強度に秀でています。炭素の量に応じて、S10CからS58Cまでの20種類が規定されています。熱処理だけではなく溶接加工もしやすいのが特徴で、SS材よりも秀でている部分が多いです。しかし、価格が高いというデメリットもあります。具体的には、S45Cと記載されているものは0.45%ほどの炭素が含まれていることを意味しています。