段板(だんいた)とは、階段の水平部分となる踏面(ふみずら)の部材のことを言います。踏板(ふみいた)とも呼ばれます。階段の垂直の段差部分を蹴上(けあげ)、段板の先端を段鼻(だんばな)と言います。
段板は蹴込(けこみ)と呼ばれる多少の重なりをつけて敷設され、段差の垂直部分の板材を蹴込板(けこみいた)と言います。段板の先端には滑り止めを施します。滑り止めとして溝を設ける場合、段板の端から端までの溝を設けることを突き通し、端部の手前で溝が切れているものを突き止めと言います。溝以外にも出鼻部分に、ノンスリップと呼ばれる滑り止め材を設置することもあります。
蹴上と踏面の寸法は建築基準法で規定されています。小学校の児童用の場合、蹴上は16㎝以下、踏面が26㎝以上、中学校、高校、劇場、物販店舗の場合、蹴上は18㎝以下、踏面が26㎝以上、共同住宅を除く住宅の場合、蹴上は23㎝以下、踏面が15㎝以上と、建物の用途、種類によって異なります。階段以外にも、野球場の観覧席で階段状の床部分も段板と言います。最近ではプレファブ化が進み、段板と蹴込板が一体となったプレキャストコンクリート(PC)を敷設します。PC化によりコンクリート素地のままでも防水性に優れ、施工の短工期化も図れます。