建築におけるスペーサーとは、隙間を確保するために設置するものに対して呼ぶことが多い。一般的には、かぶり(鉄筋からコンクリート表面までの最短距離)を保持させるために取り付けるものを指す。

鉄筋が動かないように固定したり、鉄筋を配置する際に配筋が乱れないようにしたりするためにスペーサーが使われる。かぶりの厚さが少ないと鉄筋が酸化しやすくなるため、鉄筋コンクリート製の構造物の強度が不足するおそれがある。また、組み立てた鉄筋の位置や間隔が適正でない場合にも強度が下がる。

スペーサーにはコンクリート製・鋼製・プラスチック製などがある。鉄筋組み立ての作業中には人間の重量がかかるため、壊れたり変形しないスペーサーが必要となる。

プラスチック製で円形のものはドーナツとも呼ばれ、使用するのは壁面などに限られる。キューブ状のものはスペーサーブロックやサイコロブロックなどと呼ばれ、基礎や土台などで使われる。

他にもパテントスペーサー・キャットスペーサー・ライナースペーサーなどがある。鉄筋馬と呼ばれるものもスペーサーの一種である。

国や都道府県、建築関連の団体がスペーサーの使用量や配置などについてのガイドラインを策定している。