スラリーとは、液体中に混ぜた粘土などの粒子が泥状あるいはおかゆ状になったものをいう。たとえば、石炭や鉱石などを輸送する際に、それらを粉末状にしてから水と混ぜて泥状にしたものもスラリーと呼ぶ。

建築業界では、フライアッシュ(石炭を燃焼する際に生じる灰の一種)にセメントなどを入れた泥状の物をスラリーということが多い。セメントと水を混ぜて泥状になった物を特にセメントスラリーと呼んで区別することも。
スラリーは流動性が高く、隙間などに流し込んでも空洞を残さず充填される性質がある。その性質を利用して、狭くて複雑な形の場所の充填や埋め戻しに使用されている。自ら広がって水平な状態で落ち着く性質もあるため、仕上げの施工も必要ない。

スラリーは一般的な建築現場だけでなく、港湾工事やトンネル工事、上下水道工事などにも活用できる。宅地造成や地盤改良工事では、セメントをミキサーで練ってセメントスラリーにしてから、スラリーポンプで圧送して地盤に打設するといった工法を採る。
その他にも、柱や梁の耐火被覆材としてもスラリーは活用されている。耐火性や断熱性に優れたロックウールとセメントスラリーを同時に吹き付けて、柱や梁を覆う耐火被覆工事が施工されている。