サッシとは窓枠として使用する建材のことをいいます。窓は複数パーツで構成されており、かまち、障子、額縁、窓枠、ガラスとなります。そのなか「窓枠+かまち」部分をサッシと呼ばれ、なかにはガラスを含めてサッシと呼ばれる場合もあります。その場合は額縁部分は含まれません。窓とドアの両方の役割を備えたドアサッシもあります。

サッシの役割と種類

窓ガラスには採光、通風、視線や、エクステリアやインテリアの見た目など大きな役割を持っています。それを取り付けるためにはサッシが欠かせません。サッシが果たす役割には次のものがあり、1つ目は効率のよい光の取り込み、2つ目は風通しをよくすること、3つ目は断熱性の高さです。特に断熱性はサッシの種類により違います。サッシの種類はアルミ、スチール、樹脂、木製、複合があります。

アルミサッシ

アルミサッシは、軽量で開閉しやすく、耐久性も高く、一般住宅によく使用されています。
また、耐食性や耐候性にも優れていて、雨の日や外側に取り付けても劣化しにくくなります。しかも低コストなため、どれにしようか迷った場合はアルミサッシがオススメです。
ただし、熱が伝わりやすいため、冬場など室内や室外の温度差が激しくなり、結露が起こることがあります。同時に熱も逃げやすく、省エネの面でも悪影響を及ぼします。これらは窓を二重構造にするかガラスフィルムを張ることで、かなり防げるでしょう。

スチールサッシ

スチールサッシは、無骨な質感で耐火性能に優れ強度があり、防火地域、準防火地域、商業施設に多く使用されています。しかし、耐候性、耐食性に弱いため住宅には不向きです。
また、スチールは重量で開閉しづらく、水に触れるだけで錆びてしまい、最悪動かなくなってしまうこともあります。その場合はリン酸処理や電気亜鉛メッキなどの塗装が必要です。

樹脂サッシ

樹脂サッシは、塩化ビニル樹脂から作られたもので、ドイツ発祥のサッシです。もともとはアルミサッシでできたもので「アルミ熱遮断構造サッシ→複合サッシ→樹脂サッシ」へと生まれ変わりました。アルミサッシより約2.6倍の断熱性が高く、結露に強いため、おもに北海道や北東北で普及しています。北海道の普及率はなんと約90%です。日本以外にも北欧、北米、中国などでも多く使われています。また、気密性(隙間から漏れる空気が少ないこと)にも優れているため、防音効果もあります。

しかし、アルミサッシと比べると紫外線に弱いところが難点です。日光に当たってしまうとすぐ劣化してしまい、サッシの形が変わってしまうことで窓などの開け閉めが困難になりかねません。
南面の位置を避けるか、オーニング(庇)や簾などを取り付けるかで予防が可能です。同時に日射対策ができ、夏場には冷房、冬場には暖房効果もあります。

木製サッシ

木製サッシは、樹脂サッシと同様に断熱性が高く、外気温が室内に伝わりにくくなるため、あまり結露しません。また、自然素材のため、洋風、和風でもインテリアにマッチしやすいです。

アルミサッシの場合は、強度があり、窓枠が細いためデザイン性に優れますが、どうしても結露は避けられません。
樹脂サッシの場合は、結露防止になりますが、窓枠が太いためデザイン性に劣ってしまいます。素材はプラスチックなため細く加工することも難しいです。
それら2種類のデメリットを解消してくれるのが木製サッシです。

それ以外に、サッシの種類によって作成できる幅も違ってきます。アルミサッシでは2.6m、樹脂サッシでは1.8mまでなのに対し、木製サッシなら4m以上の幅まで作成が可能なため、大きな窓やドアサッシにも対応できます。

昔は木製サッシが多く使われていましたが、安価で軽量、メンテナンスがしやすいという理由で、現在はアルミサッシが急増しています。

複合サッシ

複合サッシは異なる2つの素材を使用したものです。例えばアルミ樹脂複合サッシがあります。特徴は耐久性と断熱性が高くなります。
しかし、アルミ樹脂複合サッシは「樹脂サッシ50%とアルミサッシ50%」でできているため、アルミサッシより紫外線が弱く、樹脂サッシより断熱性に弱いなどのデメリットがあります。
まとめ
サッシの種類によってメリットとデメリットは大きく異なります。
メリットとしましては、次の通りです。

メリット デメリット
アルミサッシ 耐久性に強い 断熱性に弱い
スチールサッシ 耐火性に強い 耐候性と耐食性に弱い
樹脂サッシ 断熱性に強い 紫外線に弱い
木製サッシ 断熱性と耐久性に強い 価格が高い

定期的なメンテナンスが必要

アルミサッシは軽量で低コストなため、張り替えが楽に行えます。しかし、他のと比べると断熱性に弱くなります。
低コストや使いやすさを重視するならアルミサッシ、結露による健康被害を防ぐならアルミサッシ以外のものを選ぶとよいでしょう。