甲丸(こうまる)レールとは、引き戸の戸車が走行するガイドレールで、断面がかまぼこの様に上面が丸い形状をしたものを言います。凸(とつ)レールや、山型レールとも言われます。鋼、真鍮、アルミ、ステンレス製のものが多く、最近では鉄芯に塩化ビニールでコーティングしたものもあります。甲丸レールは引き戸の敷居部分に取り付けます。

上部から釘やビスで留めるものは、走行時に段差を超えるときに音がします。横方向に力が加わることで、レールが曲がることもあります。敷居に溝を掘り、T型形状の埋め込み固定する甲丸レールもあり、戸車走行時の音の発生を防ぎます。戸車は戸の下部に埋め込み設置されます。丸型、溝型、袖型、袖丸型などがあり、甲丸レールには丸型を使用します。

材質は、ウレタン製、ジュラコン製、ステンレス製、鋳鉄製、真鍮製などがあり、使う場所、扉の形状、重さから選定します。最近の引き戸のレールには、断面がV型に窪んだVレールを用いることが多くなりました。レール部分の段差や突起が少なく、高齢者にとっても歩きやすい形状となっています。W形に窪んだレールもあり、甲丸レールと同様に丸型戸車を使用することが出来ます。レールの交換の際には、戸車も一緒に交換します。