「丸鋼」(まるこう)とは、棒鋼の種類の1つで、リブや節のないものをいう。一方で、リブのあるものは「異形鉄筋」(いけいてっきん)と呼ばれる。

JIS規格では、鉄筋は棒鋼2種類と異形鉄筋5種類とに分類。丸鋼にはSRから始まる材料記号が割り振られている。なお、SRのSは「steel」(スチール:鉄)でRは「round」(ラウンド:円い)だが、棒鋼を英語に訳すと「round bar」(ラウンドバー)である。

丸鋼は直径が小さいもので5.5mm、太いもので200mmというJIS規定がある。1mあたりの重さも、軽いもので200g以下から、重いものだと200kg以上になる。そのうち、使用頻度が高いのは直径9〜22mmのもの。

丸鋼は表面に突起がないシンプルな形状になっているため、使い道が広い。船舶や機械の構造材や、道路の基盤材などに使われている。機械部品やボルト・ナットといった小型のものにも棒鋼が用いられる。
建築においては、昭和40年代頃までは丸鋼が鉄筋に使われることが多かった。しかし、現在は強度や付着性などに優れる異形鉄筋が用いられるようになり、丸鋼が使われることはほぼない。わずかに補修工事などで丸鋼が使われるのみである。