瓦とは、屋根ふきに用いられる代表的な建築材料です。洋の東西を問わず、古くから用いられています。発見されている世界で最も古い瓦は、中国の陳西省西安(唐の時代)の近郊から出土しています。
素材別では、5つにわけられます。「釉薬瓦」は、最も一般的な瓦です。釉薬と呼ばれるガラス質の薬剤を塗布して高温で焼いて作ります。「いぶし瓦」は、寺社の屋根に使用されることの多い伝統ある瓦です。銀色から黒色の独特の色合いを出します。「素焼き瓦」は、粘土で形を作り、そのまま焼いたものです。「セメント瓦」は、セメントと水、砂で作られる瓦です。「コンクリート瓦」は、着色スラリーと呼ばれる塗材が塗られているものです。
形状別では、3つにわけられます。「和瓦」は、自然なカーブのある形状で、波を打ったような形であるのが特徴です。「平坂瓦」は、フラットな形状です。「スパニッシュ瓦」は、和瓦よりさらに大きく波を打っているのが特徴です。
瓦全体のメリットとして、耐久性やデザイン性に優れていることがあげられます。割れたり、ヒビが入った際に、部分的なふき替え工事が可能であることも魅力でしょう。粘土系の瓦は断熱性が高く、夏は涼しく冬は暖かいのが特徴です。一方で、重量があるので耐震性に劣るのがデメリットでしょう。台風や地震の際には、瓦が落ちて割れるなどの危険があります。